2024/03/14
「手をついて」という激しい厳しい声が、この二場所余り聞こえなくなった。立会いにも『今のは、手を付かなかったのではないの?』と、疑問符が聞こえるような立会いが、少し多くなったように感じる。ある力士が、手をつかないで立ち上がると、その相撲を、いかなるときでも、立会い成立せずということで、仕切りなおしにするという怖い行司さんであった。ルールを厳格に守るレフェリングであった。ご本人からの退職届があったらしい?短刀を差し、勝負を裁く立行司の最高位に昇格した人がいる。いくらビデオ判定が多くなったからとはいえ、何回も過去差し違えもし、取り組みの最中に、取り組み力士の進行方向に廻り込み力士と重なり合ったこともある。レフェリングだろうか?これが、成績査定を、重視しているのか?立会いで、両力士が同時に手をつくのは、基本中の基本である。慣習をやめ、テレビ桟敷で観る人に、わかりやすい人事を願う者である。テレビは、三役格行司であったこの素晴らしいレフェリングを報じたろうか?自分は、残念ながら、聞く機会がなかった。
その力士は、肩越しから両上手をひく2メートルを超える長身力士だった。負けても勝っても、上手を狙う力士だった。テレビ桟敷からは、上手を取れるかが、関心事だった。昔の大内山平吉大関を髣髴とさせた。そして、今場所が始まる前に彼の不適切な行動により引退した。今、当該部屋は、四面楚歌である。親方ともども、部屋を再興してほしい。確か、宮城野部屋は、栃・若時代前の第43代美男横綱吉葉山潤之輔が関係している部屋である。
その長身力士は、少し前に、部屋を去るときに、寂しい素顔など微塵も見せなかったように見えた。親方だけが涙を拭っていたのが印象的だった。若者には、まだ、今後が開けている。
篠崎正幸
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